日帰り大腸ポリープ切除

※土曜・日曜・祝日は検査を行っておりませんので、ご注意ください。

大腸ポリープ切除と大腸がん予防

大腸がんは遺伝性のあるがんとされてきましたが、食生活の欧米化により日本での罹患数も増え続けており、がんによる死亡率では、大腸がんがすでに女性で第1位、男性でも第3位になっています。さらにこのペースで増えていくと、2020年には男女とも罹患数や罹患率が第1位になると見られています。
大腸ポリープは大きくなると表面の一部からがんが発生します。大腸がんは進行しないと症状が現れませんが、大腸カメラ検査ではポリープの段階で発見できます。良性のポリープの段階で切除してしまえば、大腸がんの予防につながるのです。

実際に厚生省班会議が行った多施設共同研究では、ポリープを切除した群の5年後大腸がん罹患率は0.7%、10年後が2.2%、ポリープを切除していない群の5年後大腸がん罹患率は1.0%、10年後は5.2%と報告されており、大腸がんになる確率がポリープ切除により有意に低くなることが証明されています。
また、進行がんになってしまうとリンパ節や他臓器へ転移している可能性があるため内視鏡での切除は不可能ですが、大腸カメラでの検査中に発見したポリープであれば内視鏡的に切除することも可能です。日常生活にほとんど影響なく治療できることも、大腸カメラ検査と内視鏡的なポリープ切除の大きな特徴です。

日帰り大腸ポリープ切除

日帰り大腸ポリープ切除当院では、大腸内視鏡検査の際に、大腸ポリープや早期大腸がんが発見された場合、大きさや数などにもよりますが、できるだけその場で病変を切除しています。検査ではまず観察だけ行い、後日もう一度下剤を飲んで準備するといった必要がなく、検査と同日に受けられる日帰り手術ですから入院の必要もありません。

検査と同日の日帰り手術では、1回で取れるポリープの数は5個以内、サイズは1.5cm以下ですので、これに当てはまらない場合には何度かにわけて切除する必要があります。また、血液をサラサラにするお薬を服用されている場合や、ポリープが大きい場合には入院しての手術となりますので、信頼できる医療機関をご紹介しています。

なお、日帰りとはいえ手術ですから、出血予防のために術後の制限があり、飲酒や運動、旅行や出張を切除後1週間程度控えていただいています。

なお、ポリープ切除を行った場合も、事前診療、検査と切除、状態を確認する再診の最短3回受診で治療を完了可能です。

内視鏡的ポリペクトミー ポリープの切除には、最新の内視鏡システムによるポリペクトミーやコールドポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術など、ポリープの状態に合わせた最適な手法を用いています。
内視鏡的ポリペクトミーは、2~10ミリ程度の小さなポリープを安全に切除する手法で、ワイヤーのようなスネアをポリープにかけ、締め付けた上で切除します。ポリープは回収し、顕微鏡で検査(病理検査)をし、がん細胞がないかを調べます。
ポリペクトミーは電流を用いますが、電流を使わずに切除するコールドポリペクトミーという手法もあり、当院では状態により適した手法を選択しています。

ポリペクトミー

一般的なポリープ切除に使われる手法です。内視鏡の先端にはスネアというループ状の電気メスがついています。これをポリープの根元にかけて徐々に締めていき、電気を流して焼き切ります。

コールドポリペクトミー

ポリペクトミーとほぼ同じ手法ですが、電気を流さずに切除します。

ポリペクトミーとコールドポリペクトミー

ポリペクトミーは、術中の出血が少ないのですが、切除した部分が炎症を起こし、出血や穿孔などの合併症を起こす可能性があります。これに対してコールドポリペクトミーは、術中の出血がポリペクトミーより多くなる代わりに、粘膜を傷つけないため術後の出血が少なく、合併症の危険性も低くなっています。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

ポリペクトミーやコールドポリペクトミーは、通常のでっぱりがある隆起性病変のポリープに適した手法です。平坦なポリープや隆起性病変の場合、そのままではスネアをかけられないため、生理食塩水を注入して切除したい部分だけ持ち上げて切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)を用います。
早期のポリープや大腸がんは一番内側にある粘膜層から発生するため、平坦な場合がよくありますが、内視鏡的粘膜切除術(EMR)では粘膜下層に液体を注入して粘膜層を持ち上げるため、腸に穴が開いてしまう僧まで影響を与えることなく、安全・確実な切除が可能です。

大腸ポリープ切除後の合併症

検査と同時に受けられるほど安全性の高い日帰り手術ですが、手術である以上、術後に出血などの合併症が起こる可能性があります。

術後出血

術後出血手術ですから、どれほど熟練していても術後出血をゼロにすることはできません。そして、ポリープ切除で起こる合併症で最も多いのは、創からの出血であり、約1%程度発生するとされています。
切除後数日中に起こり、1週間過ぎた後の発生頻度は0%に近づいていきます。便に血液が混じったとしても少量の出血であれば、安静にして様子を見て行けば自然に止血していきます。なお、血液の量が多く、ほとんど血液のような弁が出た場合には、大腸内視鏡を使った止血術が必要になります。

大腸穿孔の可能性

数千例に1例程度のとてもまれな合併症ですが、大腸ポリープの内視鏡切除後に起こる可能性がゼロではありません。ただし、大腸穿孔が起こる原因は、大きなポリープの無理な切除や通電し過ぎがほとんどですから、医療機関を選ぶ際に注意することでリスクを低減できます。なお、大腸穿孔は緊急の開腹手術が必要になるケースもあります。

ポリープ切除後の注意点

当院では、日帰りポリープ切除手術を受けた際の合併症を防ぎ、万が一起こった場合もすぐに適切な対処ができるよう、患者様にいくつかのお約束や制限をお守りいただいています。合併症が起こるリスクを低減させるためには、治療を受ける患者様に注意点を守っていただくことがとても重要なのです。
切除したポリープの大きさや形、数、内部の血管性状などにより注意点やそれをお守りいただく期間は変わってきますが、目安となるものをご紹介します。

切除後、1週間禁止

  • アルコール摂取
  • 力仕事や腹圧のかかる仕事、動作
  • ジョギングやゴルフを含めた運動
  • 長時間の車の運転
  • 飛行機などでの旅行
  • 入浴(シャワーは切除当日より可能)

食事制限

  • 切除当日から2日後の朝までは、お水・お茶のみ。
  • 2日後の昼から、おもゆ・飲むゼリーのみ。
  • 4日後の朝から、おかゆ・うどんのみ。
  • 6日後の朝から、通常のお食事可能。

大腸ポリープ費用

1割負担 2割負担 3割負担
大腸内視鏡(観察のみ) 約2,500円 約5,000円 約7,500円
大腸内視鏡と病理組織検査 約3,000円 約6,000円 約10,000円
大腸内視鏡ポリープ日帰り手術 約10,000円 約20,000円 約30,000円

※全て税抜です。

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