便秘外来

便秘とは

以前は排便回数が重視されていましたが、現在はたとえ数日に1度の排便頻度でも、便意があってトイレに行き、無理せずスムーズに便が出て、排便後はすっきりするのであれば便秘ではないと考えられています。そのため、排便頻度だけでなく、便の形状や量、無理ないきみなど排便困難、残便感、お腹の張りといった不快感などの症状も合わせて診察しています。

便秘は女性だけのお悩みではありません

厚生労働省が調査した結果では、便秘で悩む患者様の数は10~50歳代までは女性が圧倒的に多く、その後60歳を超えると男性が著しく増加しはじめ、80歳代では男性の方が多くなっています。また男性ほどではありませんが女性も高齢になるにつれて増加率が高まっています。そのため、便秘は女性特有ではなく、男女共に悩んでいる方の多い病気だと言えます。

便秘外来とは

便秘外来とは当院の便秘外来では、お通じの回数を増やしたり、便をやわらかくするだけでなく、自然ですっきりできる排便を得るための治療を行っています。
便秘に悩まれている方はとても多いのですが、病気ではないと考えてサプリメントや市販薬を試して悪化させてしまうケースが増えています。便秘はお一人おひとりによってタイプや原因がさまざまですから、専門家がきちんと診断して、最適な治療を受けることが重要なのです。
そして、医療全体の進歩に伴い、便秘の治療も近年、かなり変わってきています。たとえば、これまで弛緩性便秘・ストレス性便秘・直腸性便秘と分類されていましたが、新たに大腸自体の形状に原因があるとする知見が登場し、新しい作用機序を持った便秘薬も使えるようになっています。
当院では、どの診療科にかかるかといったことが他の患者様にわからないようさまざまな配慮を行っていますので、気兼ねなく受診いただけます。体質だからと諦めてしまわず、一度ご相談ください。

便秘外来 診療の流れ

1.問診

問診うかがう内容は以下の項目です

便秘発症の時期と経過、排便回数、便通の規則性、便の量、便の硬度、排便困難の有無、残便感の有無、血便の有無、腹部所見の異常の有無。
お悩みになっていることがほかにあれば、それもお伝えください。
年齢、性別、既往歴、手術歴、家族歴、生活様式

服用されているお薬について

お薬の副作用で便秘の症状が現れている可能性があります。
制酸剤・抗コリン剤・鎮痛剤・鎮咳剤・気管支拡張剤・麻薬・抗うつ剤・向精神薬・パーキンソン治療薬・利尿剤・神経節遮断薬・降圧剤・筋弛緩剤など、便秘を起こす可能性がある薬剤は多岐に渡ります。

2.治療方針の決定

便秘には、原因疾患がある器質的便秘と、それ以外の機能的便秘があります。
器質的便秘の場合は、原因疾患の治療を行いながら、便秘を解消する治療も行っていきます。
機能的便秘の場合には、発生要因を取り除くだけでなく、自然な排便リズムへ導く生活指導まできめ細かく行っていきます。
お薬を使う薬物療法では、それぞれの病態や生活習慣などに合わせて、最適なものを選択して処方します。

便秘のタイプ

ストレス性便秘、弛緩性便秘、直腸性便秘の3タイプや大腸の一部がねじれるなどして便が停滞するタイプがあります。ただし、きれいに分けられるのではなく、いくつものタイプを同時に発症している例が少なくありません。特に、下剤を飲み続けるなどにより、大腸が疲弊して便秘が悪化するケースが多いので、安易にタイプわけして考えるのは危険です。

大腸の形態異常で便秘になっているケース

日本人の大腸の形態は教科書的な標準型がたった2割しかなく、残りの8割はねじれ腸という大腸の一部がねじれている形状や、落下腸という大腸が骨盤まで落ちこんでいる形状だと報告されています。これは、国立病院機構(NHO)久里浜医療センターの水上健博士の研究によって判明したことで、こうしたねじれ腸や落下腸が便の停滞を引き起こし、便秘になるとされています。
なお、腸の形状は生まれた時にはすでに決まっていますので、ねじれ腸や落下腸も生まれつきのものです。

ねじれ腸や落下腸で起こる便秘の症状

ねじれ腸の可能性が高いのは、いつも同じところが痛む場合、いつも便がゆるい場合、運動をしないとすぐ便秘になる場合です。一方、落下腸では運動してもあまり便秘解消につながらず、寝ているとお腹が平らなのに立ち上がると下腹が出てくるという特徴があります。ただし、落下腸の場合、ねじれ腸のような症状が現れる場合もあります。また、子どもの頃から便秘だった場合は、ねじれ腸と落下腸、どちらの可能性もあります。

ねじれ腸や落下腸による便秘を改善するには

ねじれ腸の場合、効果的な体操やマッサージがあります。どの部分がねじれているかに合わせて、上体捻り運動や腸全体を揺らすようなマッサージなど、適切なものを選んで習慣にしましょう。また、日常的に運動して腸をゆすっている場合、ねじれ腸でも便秘になったことがない方もいらっしゃいます。
落下腸は、横行結腸が落ちてしまっているため、これを押し上げて本来の位置に戻してあげるマッサージが効果的です。

全く新しい作用機序を持つ便秘薬が32年ぶりに登場しています

小腸に存在するCIC-2クロライドチャンネルを活性化して腸管内への水分分泌を促進し、便を柔らかくして自然排便を促すという新しい作用機序を持つルビプロストンという慢性便秘薬です。アミティーザという商品名で、効果は自然排便回数の増加、慢性便秘症に伴う硬便・いきみ・残便感・不快感・腹部膨満感などの諸症状改善です。新しいメカニズムで効果を表すため、今までのお薬で思うような効果が出ていなかった方にも改善が期待できます。

アミティーザの使用法と副作用について

便秘治療をアミティーザではじめる場合には、2カプセルが基本処方となります。効果が不十分な場合には、異なる作用機序を持った薬剤を適切に選んで追加します。
酸化マグネシウムや刺激性下剤をすでに服用している場合には、アミティーザとの併用から初めて、アミティーザ以外の薬を減らしていきます。
アミティーザの副作用には、悪心と下痢が頻度41%で起こり、悪心は若い女性が、下痢は便秘の治療歴がない男性に多くなっています。なお、こうした副作用はガナトンの併用により、頻度を22%まで改善できます。

無理なくできるスムーズな排便サポート

洋式トイレでは、足の裏の位置が低いと肛門が真下を向かないため、台を設置しての裏を高くして直腸と肛門の位置を垂直に近くすることで排便しやすくなります。
そして、排便前にストレッチを行うことも効果的です。座って前傾姿勢になり、左手で右足首を持って上体をしっかりねじり、次に右手で左足首を持って上体を反対にしっかりねじります。勢いをつけずにゆっくり行ってください。

Tel.043-286-5075 再診の予約はこちら